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熊野古道が削られる 広葉樹を伐るな 久保裕嗣
紀伊民報 2005年3月28日 |
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18日付の本紙に、田辺市下三栖の熊野古道とされる里道が残土処理の進入路工事で削られたとあった。そして20日付には、白浜町の熊野大辺路富田坂で、古道周辺の広葉樹の伐採とある。残さねばならない自然がいとも簡単に行政によって破壊されていく。
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さらにあきれたのは林務課の職員の「植林の生育を阻害するのなら広葉樹も伐採する場合がある」との考え方である。植林している杉、ヒノキは、高値のため何十年も前から安値の外材に押されて、山林は放置状態である。
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その杉、ヒノキの間伐作業ならわかるが、杉、ヒノキの養育にも大切とされている広葉樹(落葉樹)を伐採するなど、何を考えてるのかと言いたい。生活環境に一番大切な広葉樹の山が無くなり、その悪影響で山だけでなく、川も海もやせてきている。
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大切な水源である川を守ろうと、数年前から町村を中心として基金と寄付とで山を買い、広葉樹を植える運動が起こっている。三陸地方の漁業者は魚介類の生育の悪いのは、杉、ヒノキのために広葉樹が少なくなっでるのが原因だと山へ木を植えに行っている。また、山陰地方の山持ちたちは山を守るためには杉、ヒノキだけでは駄目だと、間伐した跡へ広葉樹を植えていると聞く。
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町、村、市、県と大きくなるにつれて住民との接触が薄れ、世間付き合いもなくなり、社会情勢等もわからなくなる。これは大阪市に代表されるように、我々の血税をまず自分たちに有利になる事を考え、次に関連企業のため、そして最後におこぼれで住民のための行政をやっていると言っても過言ではない。
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そして、こんな市や県の首長は行政出身者が多く、それも何代も続いている。住民は、こんな行政に負けず、生活の源である川や海のために、おくればせながらも山を守っていく運動をしていこう。
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