もものえだ
古座田辺白浜と四季
久保桃枝著
大学教育出版
\1800

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■著者紹介
和歌山県東牟婁郡古座町古座下地(現在の串本町古座)出身
1914年3月23日生れ
旧姓長尾桃枝
古座尋常高等小学校卒業
古座町高池町西向村組合立古座商業学校最終学年中途退学
1927年森田ミシン屋(大阪)に勤め その後広瀬医院(西宮)桜木病院(大阪市細工谷)石上病院(大阪市堂島)で看護婦として勤める
1934年6月2日石上病院を辞職して古座に帰り 翌日6月3日久保甚一カと結婚
古座田辺白浜に移り住み現在の洋品店クボヤを築く
二男二女孫八人曾孫六人

◆「序」より
 掌サイズのノートに縦書きに記した作品を見て驚いた。その一句一句に、母の心が溢れていたからだ。春の水のぬるみを詠み、子供のはじける声を詠む句には、母の清らかで優しい心が溢れていた。 とりわけ、ふる里の古座を詠み、亡き父と母を詠む句には、母の生涯の思いが表れている。
◆「あとがき」より
 作者はわが国の歴史上最も変動の大きい時代を体験した人だと思う。まげを結い刀を差した江戸時代から西洋文化を取り入れた明治時代に変わった時代もさることながら、着物と下駄の大正・昭和時代と、軍国日本に翻弄された戦乱と貧困を経て、自動車、テレビ、インターネットと飽食と平和の世界を体験した作者は、これからの歴史の中でも、極めて得がたい時代を体験してきた。それは幸福や平穏や平和とは遠くかけはなれた、苦難の道であった。
 この作品集には、人は苦難の果てにどういうものを吐露するのかという問いに対して、ひとつの答えを出しているように思う。
        も く じ 
久保裕嗣
水仙
春の草
沈丁花
チューリップ
新樹
おたまじゃくし
日のひかり
草もち
こたつ
ひまわり
あじさい
夏の草
ほたる
風鈴
七夕
漁火
日焼け
梅雨
秋の空
残暑
秋風
夜長
すすき
コスモス
落葉
もみじ
すずめ
こおろぎ
小春日
日のひかり
三寒四温
水仙
落葉
小鳥
師走
新年
古座 古座
古座川
母 ひさを
父 伴治郎
兄 春雄
夫 甚一カ
白浜 円月島
白良浜
江津良の浜
江津良の里
美の浦
平草原
田辺 会津川
八幡町
南部梅林
熊野 熊野の春
熊野の夏
熊野の秋
熊野の冬
尾道
お遍路
飛騨
木曽
白根山
京都
北陸
宮島
福山
仏通寺
玉置山
勝浦
九州
宿
孫たち 孫たち
輝江子
花秀子
真吾
法子
好律香
勁甚
健豊
裕哉
曾孫たち
美海
明日莉
理人
こどもたち
短歌
卒寿の作
父と母
詩と随筆 甚一カ
その日の朝
心残り
願い
兄 春おっちゃんのこと
のりと
桃枝が語る 墓石と桃枝が語る長尾伴治郎の系譜
桃枝の父 母 兄弟姉妹の系譜
古座を語る
桃枝を語る
 石平裕子 オレンジ色の手袋
 久保裕嗣 オカチャンはマッカーサー マッカーサーが一番偉い
ちょっと自慢のうちのマッカーサー
オカチャンが夜叉になった
父の嘆きと愚痴
オカチャンキバッテよ
嬉しかったじ オカチャン
 前川内子 古座 田辺 そして白浜
 久保誠子 一枚の写真
母の歌集
 久保卓哉 母を語る
たいぎい
白浜のことば
母のしつけ ことば
身だしなみ
不登校
似ているところ
古座のことば
記憶
編者あとがき 久保卓哉