満洲新聞 

昭和13年12月11日
 満州新聞は 新京で発行された日字新聞で 日本国内の出来事や 満州各地の 日本の活動を、軍事、政治、文化、教育などのすべての分野にわたって、報道する新聞。
 昭和13年10月以前の紙名は「大新京日報」であった。 
 新京、満州新聞社発行。
白濱の大海亀さん 白浜温泉の京都大学臨海実験所に 180歳で 身長が137cmの海亀がいるというニュース。
酷寒の満州から遠く離れた 南国白浜温泉の話題を伝えている。
暖かい白浜温泉でも 老齢の海亀には 冬の寒さがこたえると コタツに入って暖をとってい挿絵が ユーモラス。
第5面
こども新聞

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   記事全文  コタツで冬を越す 白濱の海龜さん 龜の寿命は三百年

暖かい国の海に棲んでゐるお伽話の人気もの、大海亀の赤ちゃんが、日本で始めて人の手で孵化されました。
それは日本でも南の国白濱温泉の京大臨海実験場で行はれました。

その中でも一番の兄さんが数へ年四つのお正月を迎へることとなりました。
なにせ南洋の海に棲む動物なので、冬などは大學の先生方からこたつをして貰つたり、とても親切にして戴いてゐます。
龜は萬年生きるといはれてゐますが、本當は三百年ださうです。ここに飼れてゐる大龜は百八十歳で、体長一メートル三十七、体重はざつと五十五貫もあります。
この海龜が後幾年生きるか皆期待してゐますが、なんぼなんでも後百年も持てませんね。

満洲新聞(新京:満洲新聞社発行)
康コ5年(昭和13年)12月11日
第5面
「こども新聞」欄